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フォト・ディレッタント

中古カメラと写真、日々の独り語り

映像化された『カメラと美少女』

先日、勢いに任せてヤフオクキエフ4Mを落札してしまいましたが、入札する前にキエフの情報をネットで調べていたら、女子高生がキエフⅢを使う「東京シャッターガール」の映画に行き当たりました。

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「東京シャッターガール」の原作漫画は劇画調の絵柄で、カメラよりも撮り歩きに比重を置いた内容だったので、単行本を購入する機会がありませんでした。(平たく言うと、ヲタク好みの萌えとメカフェチ要素が足りない)

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© 桐木 憲一 / 日本文芸社

カメラ女子ブーム以降、クラシックなカメラを持ち歩く女の子を目にする機会も増えましたが「東京シャッターガール」では高額なコンタックスⅡではなく、学生でも手に入れられる廉価なキエフをチョイスしたのはリアリティのある設定だと思いました。

カメラ熱が再燃して以来、カメラが登場する事が動機となってアニメを視聴する機会が増えました。

今回は、自分の視聴歴から思い入れのある作品をご紹介します。

「色づく世界の明日から」

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制作会社のP.A.WORKSが手掛けた作品では「true tears」にどハマりして、富山県城端まで舞台探訪に行くほど入れ込んでいました。(当時は城端P.A.WORKSの社屋もありました)

その後制作されたP.A.WORKS作品は全てを観ている訳ではありませんが、カメラ熱が再燃した直後にオンエアされた「色づく世界の明日から」は大注目の作品でした。

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© 色づく世界の明日から製作委員会

キャラクター原案はラノベ弱キャラ友崎くん」の挿絵などで注目をあつめるフライ先生で、美少女造形のセンスは申し分ありませんでした。(このキャラデザなら百合要素も盛り込んで欲しかった)

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© 色づく世界の明日から製作委員会

ストーリーは魔法時間遡行が主題で、高校の写真部を舞台に、未来から時間遡行した主人公と現代の高校生の交流を描き、主人公の心の成長と恋愛模様を繊細に綴った叙情的な作品でした。

オープニングや本編の光が溢れる美しい効果は、クオリティに定評のあるP.A.WORKSの面目躍如で、モノクロのポートレートで構成されたエンディングもドラマチックでした。

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© 色づく世界の明日から製作委員会

カメラの描写は特定のメーカーに協力を仰いでいなかったようで、メーカーロゴは作画されていませんでしたが、女子は定番のPENやLUMIXと覚しきミラーレス、男子の部長はフィルムのMF一眼レフを使用していました。

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© 色づく世界の明日から製作委員会

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© 色づく世界の明日から製作委員会

写真部が舞台の作品らしく、フィルムの現像とデジカメのRAW現像を作中で描写していて、アナログとデジタルの両方をバランス良く取り上げていました。

新入部員の勧誘や文化祭など、写真部の活動を主軸にしたストーリー展開で、魔法のファンタジー要素も合わせて楽しめる作品です。

Just Because!

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Just Because!」が深夜枠で放送された当時、キービジュアルが暗い色調だったので、ミステリー作品だと勘違いしてスルーしてしまったのですが、実際には受験や卒業を間近に控えた高校生の青春モノでした。

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©FOA/Just Because! 製作委員会

冬が舞台なので天候が思わしくない場面が多く、どんよりとした空模様が悩みの多い高校生の心情とマッチしていました。

キャラクター原案が「月曜日のたわわ」でセンセーショナルを巻き起こした比村奇石先生なので、サブヒロインの小宮恵那が誇示する豊満な胸に終始目が釘付けでした。

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©FOA/Just Because! 製作委員会

廃部寸前の写真部員である小宮恵那が、実績作りのために撮った写真とコンテストの応募がストーリーの縦軸となっており、コンテストの結果は意外性のある展開でした。

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©FOA/Just Because! 製作委員会

キヤノンの協力で、PowerShot G5 XEOS 7D Mark IIが正式に登場しており、カメラと撮影の描写も的確に監修されていました。

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©FOA/Just Because! 製作委員会

藤沢と江ノ島を中心に、鎌倉の一帯が作品の舞台となっていたので、ネット配信で全話を視聴した後、舞台探訪で撮り歩きしたのも良い経験となりました。

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たまゆら

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OVATVシリーズが公開された当時は、日常系の作風にあまり食指が動かすスルーしてしまったのですが、カメラ熱の再燃を機に、ネット配信で初期のエピソードを視聴しました。

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© 佐藤順一・TYA / たまゆら製作委員会

舞台となった広島県竹原市ではアニメと連動した様々な取り組みがなされていたようで、コンテンツ・ツーリズムの成功例としてメディアで取り上げられる事もありました。

この作品で特筆すべきは、主人公の愛用するカメラが「ローライ35S」だという事に尽きるのではないでしょうか。

sunrise-camera.net

お父さんの形見という設定なので、高級モデルのローライ35Sを女子高生が普段使いしても違和感が無いのは設定の妙でした。

裏蓋を外して圧板を開き、フィルムを装填する構造など、ヲタク心をくすぐる描写にローライ35Sが欲しくなってしまった事は言うまでもありません。(実際に購入したファンも多いようです)

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© 佐藤順一・TYA / たまゆら製作委員会

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© 佐藤順一・TYA / たまゆら製作委員会

ローライ35Sで撮影する描写も、沈胴のレンズを引き出したり、露出計を見ながら絞りとSSを設定する手順など正確に描かれており、友達のパンチラをシャッターチャンスとばかりに撮影しようとしたら、準備に手間取って機会を逃した…という描写も、さもありなん、という感じでした。

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「パンチラの盗撮は犯罪です」

たまゆら」はほのぼのとした日常描写がメインで、人間関係で波風が立つ事も無く、あまりの何も起こらなさ加減に意欲が萎えて、TVシリーズ1期の途中で視聴が止まっていますが、機会があれば視聴を再開したいと考えています。

映像化に期待したい原作候補

今後、カメラを題材にした漫画で、個人的にアニメ化が見込めそうな作品というと「ゆるキャン△」の人気で余勢を駆る事が出来そうな、あfろ先生の「mono」が頭に浮かびました。

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あfろ / 芳文社

「mono」の主人公は写真部員なのに、コンテストに応募するような写真に無関心で、360度カメラのRICOH THETAで遊びに行った先の風景を撮る事に熱中していたりと、従来の写真部を題材にした作品とは一味違ったクセのある内容です。

theta360.com

単行本の後半は観光漫画のようになっていたので、カメラ好きに訴求するかは微妙ですが、リコーのスポンサードを取り付ければショートアニメぐらいにはしてもらえそうな気がします。

小説では、古書店ミステリの「ビブリア古書堂の事件手帖」が映画に続いてアニメ化も進行しているようなので、似た雰囲気の「谷中レトロカメラ店の謎日和」も映像化して欲しいナ~と夢想しています。

tkj.jp

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© 柊 サナカ / 宝島社

カメラと美少女を題材にした漫画は連載が打ち切りになった作品が多く、当ブログで取り上げるかは微妙ですが、カメラを題材にした小説は良作が多かったので、機会があればご紹介したいと思っています。