愛情コニカ『Konica Acom-1』
ガラス引戸付き収納ケースに中古カメラを整理していたら『KONICA AUTOREX』のボディを手放して宙に浮いていた『HEXANON 52mm F1.8』と『HEXANON AR 28mm F3.5』が出てきました。
HEXANONレンズはマウントアダプターでα7Ⅱに装着する事はできますが、シャッターの故障でマトモに写真が撮れなかった『KONICA AUTOREX』の無念を晴らすべく、コニカ謹製の銀塩一眼レフをヤフオクで探しました。
取り急ぎボディのみの出品を物色して、白羽の矢を立てたのは『Konica Acom-1』でした。
ヤフオクの落札価格は750円、送料は520円でした。
愛情コニカ
『Konica Acom-1』は1976年に発売された「愛情コニカ」の愛称が付いた一眼レフの普及機です。
鏡胴に銀色のリングを巻いたHEXANON 52mm F1.8を装着すると、クラシカルな装いになります。
ファミリー層向けとしては『EOS Kiss』や『αSweet』といった系譜の、遙かな祖先かも知れません。
露出計は動作
出品情報は『シャッターは切れるが電池が無いので露出計の動作は未確認』となっていたので、底面の電池室に水銀電池と互換性のあるV625Uアルカリ電池を二個入れてみました。
結果、ファインダー内の露出計の針は振れており、光の明暗で絞りが変化しました。
精度は不明ですが、フォルムを詰めても失敗写真を量産する事はなさそうです。
シャッター速度優先AE
『Konica Acom-1』は、発売当時に絞り優先AEと勢力を二分した『シャッター速度優先AE』を採用しています。
手持ちの銀塩一眼レフは絞り優先AEが大勢を占めているので、シャッター速度優先AEの動作は慣れない感じがしました。
裏蓋の開閉は、巻き戻しクランクを持ち上げる方式では無く、左側面のツメを下に引っ張る方式です。
露出計も針押さえ式で、同時期に発売されていた先進的な一眼レフと較べると、古臭い機構です。
露出計の作動
巻き上げレバーを予備角まで開くと、露出計のスイッチが入ります。
軍艦部の右側にあるスイッチをスライドさせると、巻き上げレバーがパチッと元に戻るギミックが心地良いです。
外観
貼り革は『MINOLTA XG-S』に似た柔らかく厚みのあるタイプです。
貼り革が経年劣化で収縮したせいか、縁が剥がれかけて裏地の繊維がはみ出ています。
見た目はみすぼらしいですが、完全に剥がれて実用性を損なっている訳では無いので、そのまま使用する事にします。
総評
コニカの一眼レフは、AUTOREXがギミックに凝りすぎて不調だったので、あまりいい印象がありませんでした。
Acom-1は堅牢な構造で、コニカの印象が良い方向に変わりました。