フル⇒ハーフ切替一眼『KONICA AUTOREX』
11/22(日)の午後、自宅近くのハードオフを久しぶりに覗いたところ、ジャンクカメラの棚に商品が増えていました。
一番多く見られたPENTAX SP系のボディは軒並み状態が悪く、一通り確認しても、これといったものが見当たりませんでした。
ガラスショーケースの顔触れに変化が無いか確認すると、新顔のKONICA AUTOREXが仲間入りしていました。
早速、店員さんに頼んでケースから出してもらい、動作確認を行いました。

KONICA AUTOREXの動作確認
底蓋の電池室を確認すると、H-D水銀電池が入っていましたが、液漏れはありませんでした。

ジャンクカメラの動作確認用にいつも持ち歩いている各種の電池から、H-D互換の電池を取り出し、AUTOREXに入れてみましたが、ファインダー内に表示される露出計の指針は動きませんでした(´・ω・`)
シャッター速度は(精度は不明ですが)変化しており、自動絞りもシャッターを切った瞬間に絞り込まれているのが確認出来ました。
とりあえず、マニュアル露出で撮影する事は可能だと判断しました。
縦走り金属幕のシャッターには油染みが見られ、当初はシャッターが開きっぱなしになる症状が見られましたが、何回かシャッターを切るうちに、正常に閉じられるようになりました。
ファインダーは曇っていましたが、構図の決定とピント合わせは可能でした。
付属するレンズも、目視した限りでは、目立った傷やカビ、曇りやバルサム切れは無さそうでした。


AUTOREXの売価は4千円で(税込4,400円)他店では1万円以上していた記憶があったので、露出計が不動な事を考えてもお買い得と考え、お持ち帰りしました∩(・ω・)∩
フル⇒ハーフサイズの切替が可能
世界で唯一のフル⇒ハーフサイズの切替機構を内蔵しているのが、KONICA AUTOREXの最大の特徴です。

軍艦部の右手側に切替レバーがあり、撮影途中でもフル⇒ハーフサイズが切替できます。

切替時の作法は、軍艦部に注意書きのシールが貼ってあります。

FULLからHARFに切り替えると、シャッターの左右に1/4づつマスクがせり出して、露光面がハーフサイズになるのが確認出来ます。


フル⇒ハーフを途中切替するとフィルムに1/4コマの余白が生まれるようなので、実用上はフルかハーフのどちらかに固定して、フィルムを撮り切ることになると思います。

世界初のAE搭載一眼レフ(?)
KONICA AUTOREXは発売当時「世界で初めて自動露出を搭載した一眼レフ」を標榜していたようですが(当時の表記はEE)実際には、1年ほど前に自動露出を実現したソ連のKIEV-10が登場していました。
話は逸れますが、KIEV-10って『ウルトラセブン』に登場した合体ロボット『キングジョー』に激似だと思いませんか…?


KIEV-10の露出計はセレン光電池を使用しているので「CdSセル受光素子を使用したAE一眼レフ」としては、AUTOREXが世界初を名乗る事が出来そうです。
AUTOREXのEEはシャッター速度優先で、自分が入手した個体は残念ながら露出計が不動でしたが、使えたとしても精度が怪しいので、マニュアル露出で撮影していたと思います。
絞り込みプレビューボタン
マウント基部の下側に絞り込みプレビューボタンがありました。

自動絞りで開放測光の場合、設定した絞り値が反映されるのはシャッターを切った瞬間のみとなります。
被写界深度がプレビュー出来るのは、個人的に高評価です (・ω・)b
実際の撮影で、絞り込みプレビューボタンを使用する事は稀ですが、出来るのと出来ないのとでは、大きな違いがあると思っています。
一眼レフでハーフサイズの撮影に臨む
ハーフサイズの一眼レフといえば銀塩の『OLYMPUS PEN F』シリーズが有名ですが、銘機の誉れ高く、程度の良い個体は結構お高い…(´・ω・`)
AUTOREXは完動品でもせいぜい1~2万円程度だと思うので、自分が買った4千円の個体では、ハーフサイズに固定してマニュアル露出で撮影を行うつもりです。