今でも健在なAPSカメラ
2012年に販売が終了し、全ての消費期限が数年前に切れているAPSフィルム。
APSフィルムは店頭から消えて、APSカメラも中古で見かける事がなくなり、一般的には絶滅したものと認識されているようです。
ところがどっこい、APSを題材にした同人誌が盛り上がり、一部のショップでは期限切れのAPSフィルムが販売されるに至って、わずかながら盛り返す兆しもあるようです。
同人誌の影響でAPSカメラへの関心が芽生えた自分は、日暮里の三葉堂寫眞機店でジャンクコンテナの底に埋もれていた『Canon IXY 330』をサルベージしたのを皮切りに、気がつけばAPSコンパクトが2台、APS一眼レフが3台に増殖していました。
100円で購入して電池を入れたら完動したIXY 330に、期限切れのAPSフィルムを詰めて、400円で手に入れたCanon IX-Eと交互にフィルム交換(MRC=ミッドロールチェンジ)しながらオートで撮影しました。(MRCに対応したAPSカメラはフィルムを途中交換すると撮影済みの枚数が引き継がれます)
撮り切ったAPSフィルムを初めて現像に出したら、露出は酷いアンダーで発色も悪く見るに耐えない仕上がりでした(;´д`)
その後、同人誌の撮影指南を参考に、後から1円で手に入れたCanon IX50では露出補正を+2オーバーにしてAPSフィルムの撮影に再挑戦しました。
カラーの発色を試す為に、遊園地で原色バリバリの遊具を撮影したのですが、露出補正を加えれば予想外に見られる写真が撮れました。
もし、これからAPSカメラに手を出すとしたら、コンパクトは避けて露出補正の出来る一眼レフをオススメします。
APSの工事現場用カメラ『富士フィルム EPION 安全第一』も後から手に入れたのですが、露出補正が出来ないので撮影する機会が無く、部屋のインテリアと化しています。(外付ファインダーは何かに流用出来るかも?)
APSフィルムのメーカーや種類、期限切れの度合いによって仕上がりは一様ではないと思うので、積極的にはオススメ出来ませんが、APSならではのフィルム自動給送や途中交換で遊べるのは、APSフィルムが残っている今だけかも知れません。
APSという名称は、今では撮像素子サイズのAPS-Cが定着しているので「APSフィルム」や「APSフィルムを使う一眼レフ」と断り書きしないと間違って伝わりかねないのが難点です。
APSカメラの画角は、最大サイズのAPS-H(ハイビジョン)は16:9、APS-C(クラシック)は3:2、APS-P(パノラマ)はワイドな横長に途中切替ができます。
APS-CとAPS-Pはプリントサイズを磁気的に記録しているだけなので、フィルムは全てAPS-Hで露光しています。
APS-Cのデジカメ用レンズはAPSカメラで使える?
ニコンのデジタル一眼レフは、35mmフルサイズのFXとAPS-CのDXにフォーマットが大別されますが、DXフォーマットのデジカメ用交換レンズを、300円で買ったAPS一眼レフの『Nikon PRONEA S』に装着したところ、ファインダーの四隅にケラレは見られず、AFと絞りも動作してVRも効いているようでした。
本来はAPSカメラの方がAPS-Cの元祖ですが、後から出てきたAPS-C用のDXレンズが適合するのは規格の妙で面白かったです。(さすが、不滅のFマウント?)
いずれ機会を見て、APSカメラとDXレンズの組み合わせで撮影してみるつもりです。