白銀の『YASHICA TL ELECTRO X』2
ヤフオクで落札した『YASHICA TL ELECTRO X』が届きました。
背面左上の丸蓋を開けて電池を入れ、上面の赤いボタンを押して通電ランプを点灯させた後、セルフタイマーの上にある絞り込みレバーを押し込んで露出計が動作している事を確認しました。
露出計の精度は問題無さそうで、撮影が可能なコンディションだと思われます。
まだLEDが無かった時代のカメラなので豆電球を使用しており、補修部品が払底した今となっては玉切れしない事を祈るばかりです(´-ω-)人
光学系はレンズの前玉・後玉とも傷は見られず、写真に影響が出そうなカビも皆無で、ファインダー内にはゴミが目立ちましたが、常用するカメラでは無いのでこのまま使用する事にします。
外観は概ね綺麗で、右肩にアタリが見られましたが、その他に目立った傷や汚れは見られませんでした。
レンズ前面のフィルター枠にアタリで出来た凹みがあったので、内側から叩きだして修理したのですが、最初にペンチでこじった時に外側に傷が付いてしまったので、ヤスリで削ってピカールで磨きました。
磨いた部分がテカッてしまいましたが、ヘリコイドが鏡胴に収納されていれば目立たないので、気にしない事にします。 ┐(´ー`)┌
古いヤシカのレンズはフィルター枠が柔らかいアルミ製で、簡単に凹んでしまうのを事前に知っていましたが、手に入れた個体で実感する事になりました(^_^;)
またフィルター枠を凹ませないように、保護用のフィルターを装着しておきました。
カメラ全体を清掃をしてしばらくいじっていたら、絞り込むとレバーを押さなくてもファインダーが暗くなってしまいました。
自動絞りが故障したかと思い焦りましたが、ネットで調べてみたら、レンズのマウントの基部にMとAの刻印があり、レバーをスライドさせると自動絞りをマニュアルとオートに切り替えられる事が解りました。
現在主流のバヨネットマウントはレンズの絞りが常時開放で、シャッターが切れる瞬間だけ設定した絞り値に絞り込まれる自動絞りがデフォルトなので、自動絞りの切替レバーが存在するなんて思いもよりませんでした(;´∀`)
M42スクリューマウント(通称プラクチカマウント、以降はPマウント)は口径が小さくレンズの装着が面倒で、現在ではバヨネットマウントに駆逐されてしまったのも頷けます。
『ELECTRO X』は電子シャッターの採用で機械式のようなギミックが無いので、中身はスカスカのハズですが、Pマウントより径の大きいFマウントのenko KF-1Nよりもふた回りほどボディが大きいです。
先に入手したエレクトロ35シリーズ最小の『YASHICA ELECTRO 35 MC』と並べると、その大きさが一層強調されます。(このツーショットを撮りたかった!)
昔のカメラは一家に一台の耐久消費財だったので、廉価モデルといえども、見栄を張りたくて無駄に大きくしたとしか思えません。
大型のカメラが存在感を主張していた風潮は、オリンパスがM-1(OM-1)でシステム全体の小型化を打ち出し、ペンタックスがMXで最小サイズを更新するまで続いていたようです。
製造から半世紀を経て、実用上問題ない製品はカメラ以外では余り見られないので、クラシックカメラが未だにもてはやされるのも理解出来ます。
古い家電やPCは言うに及ばず、クラシックカーなども満足な性能を維持するには多大な費用と労力を要します。
カメラは車のように税金がかからないし、程度の良い個体を手に入れれば、労せずに普通の写真が撮れるというのは、フィルムカメラならではの特権かも知れません。
バルナックライカなどに代表されるクラシックカメラに較べれば、この時代のカメラは幾分かは新しめなので、以降は「セミクラシックカメラ」と呼称する事にします。
裏蓋のモルトを貼り替えたら、『ELECTRO X』を撮影行に持ち出すつもりです。